ニューヨーク・パンクの女王と呼ばれるPatti Smith(パティ・スミス)のデビュー・アルバム。
まず、モノクロジャケットがかっこいいなという視覚のインパクトに加え、冒頭の#「Gloria」、最終曲#「My Generation」で強烈なインパクトを覚えた。
両曲とも別アーティストのカバーなのだが、正直本家よりも生々しい。本家は本家でとても評価されているのだが、現代ロックの中で、軽々しく”パンク”と口にするのがいかに虚構であるかを体現させられるほど、パティ・スミスの場合、もっと別次元の感覚に陥るのだ。
独特な歌い方でもあるが、#「Gloria」はじわじわとこみ上げ、最後は彼女の感情の叫びなのか、性急なパンクが本性をむき出しにしているかのようだ。#「My Generation」にも同じことが言える。
この力強さと生々しさは、21世紀に現れた女性シンガーでは表現できないだろう。
当時の時代だからこそのリアリティが、現代では無意味で空虚なものなのか?
パティの声を聞いて、その問いにYESとは答えられない。
※ タイトルとは関係ないイメージの場合があります。