Arctic Monkeysのアルバム「Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not」のレビュー

“俺のことを誰が何と言おうが、それは俺じゃない”

アルバムタイトルを翻訳すればこんなとこだろうか。

今でこそ音楽の宣伝や広がりにインターネットは欠かせないが、そのアプローチとして積極的なツールとして先行利用したのが、このアークティック・モンキーズというバンドで、デビューアルバムの『Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not』だろう。インディーズにも関わらず驚異の実力を発揮し、2000年代という中において極めて突出した存在だ。

UKロックの原型が根底にありながら、感覚的、肉体的にも他の追随を許さないという次元を超え、加えて演奏力もあり、先へ先へと離されたとさえ思える。故に、このアルバムは完璧なデビュー作で衝撃だ。日本の夏フェスで、史上最年少、最速でヘッドライナーも務めた。

アルバム前にシングルリリースされていた#2「I Bet You Look Good On The Dancefloor」は、ネット上で大いに話題となった。スピード感、サウンド、メロディがタイトで、ロックンロールがこれほどまでに引き締まり、追求性のあるものだと再認識させられると共に、ロックの前衛性の意味を体感させられた。

#1「The View From The Afternoon」のスピーディなドラミングテクニックは必聴だ。掛け合うギターとタイトさを極限まで高めたものだ。

#5「You Probably Couldn’t See For The Lights But You Were Staring Straight At Me」はかなりスピーディなイントロで爆進していくトラックだ。

#7「Riot Van」ではメロウな落ち着いた雰囲気を見せる。

#9「Murdy Bum」のギターのテンポとヴォーカルの声音がマッチしていると感じる。ミドルテンポの軽快なナンバーだと思う。

そして、何と言っても彼らの出身地、シェフィールドでの”日常”を歌った#11「When The Sun Goes Down」はリアルだ。そう、タイトルにある日が沈む頃にそのリアルは現れる。この曲にインスパイアされて、ショートムービーが手掛けられたほどだ。
やつらは暗くなると”変わる”。”闇”に潜みつつ、暗くなると当たり前のように溢れだす”闇”がアークティック・モンキーズの見てきた日常なのかもしれない。

バンド全体のテクニックのレベルが高いのはもちろん、サウンド構成、展開の変化が新人とは思えないクオリティだ。この頃だろうか、個人的にグル―ヴを意識しだした。

こういったデビューは、大方次作でトーンが下がるが、アークティック・モンキーズは違う。

隙のないロックンロールがここにあり、これは次作への序章、いや、アークティック・モンキーズというバンドの序章なのだ。

踊れる? いや、踊ってはいけない、踊らされてはいけない。

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※ タイトルとは関係ないイメージの場合があります。

この記事の投稿者

F.TKJ
洋楽専門

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